お客様があなたを指名・予約するという行為は、彼女たちにとって「新しい自分」を生きる冒険の始まりです。
しかし、冒険に出るには「きっかけ」が必要です。
多くの冒険物語は、退屈な日常から始まります。
お客様もまた、職場や家庭での役割に追われ、「私なんてこんなもの」「この生活から抜け出せるはずがない」と、小さな諦めの中で生きています。
そんな彼女たちの背中を押し、冒険へと誘うのが、私たち売り手(セラピスト)の役割です。
男性は「師匠」を求め、女性は「発見者」を求める
ここで、男性脳と女性脳が好むストーリーの違いを理解する必要があります。
男性が主人公の少年漫画、例えば『ドラゴンボール』や『SLAM DUNK』を想像してください。
主人公が冒険に出る時、そこには亀仙人や安西先生のような「師匠(メンター)」が現れます。
「お前には才能がある、だが今は未熟だ。修行せよ」と諭し、試練を与え、強くなるための道を指し示す。
男性にとってのキーパーソンとは、自分を成長させてくれる指導者です。
これに対し、女性が主人公の物語では、指導者は必要ありません。
なぜなら、女性の物語における主人公は、「未熟な存在」ではなく、「本来の自分を忘れている存在」として描かれるからです。
『シンデレラ』や『眠れる森の美女』を思い出してください。彼女たちは修行してドレスを手に入れたわけではありません。
魔法使いや王子様が現れて、「あなたは灰まみれでいるべき人ではない」「本来の美しい姿に戻りましょう」と告げ、魔法をかけたりキスをしたりすることで、一瞬にして「本来の姿」を取り戻すのです。
SNSでの「立ち位置」を変える
この違いは、SNSでの発信にどう影響するでしょうか?
もしあなたが、
- 「僕があなたの疲れを根本から改善します!」
- 「僕のテクニックでイカせます!」
といった発信をしているなら、それは男性向けの「師匠」ポジションです。
これでは、
- 「指導されたくない」
- 「今の自分を否定されたくない」
と感じる女性客の心には響きません。
正解は、「発見者」としての発信です。
- 「毎日頑張っているあなたこそ、愛されるべきプリンセスです」
- 「その疲れは、あなたが優しすぎる証拠。僕がその重荷を降ろすお手伝いをします」
このように、「あなたは今のままで素晴らしい。ただ、少し場所が悪いだけ。僕が本来の輝ける場所へエスコートします」というスタンスを取ることで、お客様は安心してあなたを「キーパーソン」として受け入れることができます。
【実践のポイント】
- NG投稿(男性向け)
- 「努力」「改善」「指導」のニュアンス。
- 「僕について来い」スタイル。
- OK投稿(女性向け)
- 「覚醒」「解放」「肯定」のニュアンス。
- 「本来のあなたを思い出して」スタイル。
「敵」の正体を見極め、共闘せよ
物語には必ず、主人公の行く手を阻む「敵」が登場します。
お客様が「予約したい」と思った瞬間に立ちはだかる心理的なハードル、これこそが「敵」です。
この「敵」の描き方も、男女で大きく異なります。
男性の敵は「外」にあり、女性の敵は「過去」にある
男性向け物語(RPGやバトル漫画)において、敵はフリーザや魔王のように「外部」からやってきます。
またはライバルからの妨害です。
主人公はレベルを上げ、武器を手に入れ、敵を倒して未来を勝ち取ります。
つまり「戦って、勝つ」ことがテーマです。
しかし、女性向け物語において、最大の敵は「元の世界からの引力」です。
「新しい世界(女風を利用して綺麗になる自分)」へ踏み出そうとする彼女に対し、敵はこう囁きます。
- 「そんなお金があるなら、子供のために使いなさい」
- 「いい歳をして、風俗なんて恥ずかしい」
- 「今のままでも、そこそこ幸せじゃない?」
これらはすべて、「過去の日常(現状維持)」へ引き戻そうとする力です。
女性主人公にとっての戦いとは、敵を殴り倒すことではなく、「過去のしがらみを断ち切り、新しい世界を選ぶ決意をする」ことなのです。
お客様の「罪悪感」を肯定で溶かす
女風を利用しようとする女性たちが戦っている相手、それは世間の常識や、自分自身の心に住み着いた「罪悪感」です。
SNSでバズる(広く拡散される)投稿には、この「罪悪感との戦い」をサポートする要素が含まれています。
例えば、「自分へのご褒美なんて贅沢だと思っていませんか? 車だってメンテナンスしなければ走れません。あなたは車以上に大切な存在ですよ」といった投稿です。
男性のように「レベル上げ(自分磨き)」を強要する必要はありません。
彼女たちは、今のままで十分に魅力的です。ただ、「過去の世界」が彼女たちを離さないだけなのです。
あなたの役割は、彼女が「やっぱり私には無理かも」と弱気になった時(予約直前での迷いなど)に、決して叱咤激励することなく、「その迷いは、あなたが真剣に人生を考えている証拠です。でも、こちらの世界はもっと素敵ですよ」と優しく手を差し伸べ続けることです。
反論への視点:なぜこのメソッドが必要なのか?
ここまで読んで、いくつかの疑問や反発を感じた方もいるかもしれません。健全な批判精神を持つことは大切です。ここでは想定される主な反論にお答えします。
反論1:「男女で決めつけるのは時代遅れではないか?」
回答:おっしゃる通り、ジェンダーレスな時代において「男はこう、女はこう」と断定することには慎重であるべきです。
しかし、マーケティングにおいては「統計的な傾向」や「脳の快感原則」を無視することはできません。
特に女風という、性や恋愛のファンタジーを扱う業界では、お客様自身が古典的な「お姫様扱い」や「守られる体験」を求めているケースが圧倒的に多いのが現実です。
個々のお客様に合わせる柔軟性は必要ですが、入り口としての「型」を知っておくことは武器になります。
反論2:「一つのメッセージですべての人に刺さるのでは?」
回答:「誰にでも好かれる文章」は、往々にして「誰の心にも残らない文章」になります。
特にSNSという情報の洪水の中では、ターゲットを絞り込み、その人の深層心理に深く突き刺さる言葉でなければ、指先一つでスクロールされて終わりです。
勇気を持って「ヒロイン願望のある女性」にターゲットを絞ることで、結果的に熱狂的なファンを生むことができます。
反論3:「物語で誘導するのは操作(マニピュレーション)ではないか?」
回答:もし粗悪なサービスを売りつけるために使うなら、それは悪質な操作です。
しかし、あなたが自分の施術やホスピタリティに自信があり、それによってお客様を本当に癒せると信じているなら、それは「救済」への導きです。
迷っている主人公の手を取り、幸せな結末へエスコートすることは、セラピストとしての誠実な態度と言えるでしょう。
結論:明日の投稿から「王子様」になろう
文章術とは、単に言葉を並べる技術ではありません。
それは、読み手であるお客様をどのような「役割」として扱うかという、あなたの態度の表明です。
新人女風セラピストの皆さん。明日からのSNS投稿で、以下のことを意識してみてください。
- 自分を「凄い技術者」として語るのをやめ、「本来のあなたを見つける発見者」として語る。
- お客様の悩みを「解決すべき課題」として扱わず、「頑張りすぎた結果の勲章」として肯定する。
- 「過去の日常」に引き戻そうとする罪悪感と戦うお客様に、「新しい世界への招待状」を送り続ける。
SNSの画面越しにいるお客様は、まだ見ぬあなたという「キーパーソン」を待っています。
ガラスの靴を持って、彼女たちを迎えに行ってあげてください。
それが、ベストセラー(=指名満了)を生み出す最短のルートなのです。

